タイヤはありませんでしたがどうにかこうにかホイールで少しづつ前進させ移動を始めました。亀のような歩みですから時間は気が遠くなるほどかかります。しかもステアリングも言うことをきかないでしょうから、これは大変な作業でしょう。見つけたのが14:00前後だったらしいのですが、道のりの半分もいかないうちに日が暮れてきてしまいました。
日が完全に暮れた頃にマズいトラブルが起きました。ホイールで走っていると摩擦で火花が散るのですが、それがどうやら漏れていたオイルに引火しエンジンにも燃え移ってしまったようです。危険な状態ですがTatsuさんは何とか避難し911へ通報。どうにか鎮火させましたが、このままではどうすることもできません。その日は一旦サンディ海岸のモーテル跡へ仮置きし、後日もう一度引き受けに行くことにしました。
日を改め積載車を用意してあのラットローダーを引き受けに。もしかしたら無くなっているんじゃ…などと心配もしたようですが、さすがにこの状態でわざわざ持っていく人もいないでしょう。どちらかと言えば破壊されてしまう可能性のほうが高い気がします。幸いラットローダーはモーテル跡に置かれたまま。何とかガレージまで移動させることに成功しました。
今ではリペアも順調に進み、通常走行ができるまでに回復したラットローダー。兄貴分のようなデューンローダーと並べて撮った一枚です。以前に当店が製作したラットローダーのように「もう少し綺麗にしないの?」と尋ねてみたところ、この年代モノの雰囲気が気に入っているようで、「変えてもカラーぐらいかな」ということでした。こうしてデューンローダーと並んでいると働きモノだった頃のこの車が思い浮かぶようで可愛いとさえ感じます。大変な思いをして手に入れた車ですからこれからも大事に乗ってあげてください。