フィンランドの世界的ラリードライバー、トミ・マキネンもドライブした三菱・ランサーエボリューション、ラリーアートカラーのこのクルマはYohさんのサルタンです。Yohさんは店にパーツを買いに来ることがあるのですが取付、チューニング等は全てDIYで行うというドライビングだけでなく、カスタムにも精通した大のクルマ好き。しかしこのサルタンがこの状態になるまでには紆余曲折がありました。
このサルタンは元は赤いボディーカラーではなくイエロー系のカラーでした。雨が降る中足回りの調整のために走り込みをしていたらしいのですが、操作を誤り崖下に転落しなんとか木に引っ掛かり停止。ケガはしたものの幸い命に別状はなかったとのことでした。しかしお気に入りのサルタンは無残にもボロボロになってしまいました。
自走できる状態だったので何とかAirport店までクルマを運んできました。新しく別のクルマを作るのか? と思いましたが、Yohさんの思い入れは強くジャンクヤードから部品取り車を探して再生するということでした。写真のように事故でフロント部分が大破した丁度良いサルタンが見つかり、早速次の日からサルタンの再生作業が始まりました。
今までは見た目も考え低めの車高にしていましたが、足回りのセッティングを見直しストック車高に戻してサスペンションストローク重視にしました。また低速トルクを強化する為に写真のようにタービンも新しいものに追加・交換。それに伴い急勾配でタレないように熱に強く効きのよいサーキット仕様のブレーキシステムに変更しています。同時にボディカラーも現在のラリーアートカラーに塗り替えました。
大事故を経てさらに進化を遂げたYohさんのサルタン。事故は起こさない方がよかったかもしれませんが、失敗は成功の基。走りこんでセッティングを見つめなおす姿勢は見習うべきところがあります。ドライバビリティ重視のカスタム・チューニングならただ高価なパーツを取り付けるだけでなく、自分の扱いやすい状態に仕上げる必要があります。レース仕様車を製作するなら当然の作業でしょう。